Sunday, June 18, 2006

 

議員会館で議員懇談と記者会見=脱WTO6月行動報告その1=

 脱WTO草の根キャンペーンの呼びかけで実行委員会を作り、6月15日から17日にかけ、韓国、フィリピン、タイのグローバリゼーションに対抗する社会運動・NGOsのネットワーク組織から活動者を招聘、15日は国会議員との懇談と記者会見、東京でこの日から開かれたWEF(世界経済フォーラム)東アジア会議への申し入れ、日本の社会運動体・NGOsとのこれからの運動をめぐる戦略会議などを行いました。
 16日は各国のピョン・ジョンピルさんは新潟へ、タイのキンコン・ナリンタラックさんとフィリピンのジョセフ・ブルナガンさんは京都へ飛び、それぞれの地域で集会・シンポジウムを行いました。
 17日は午後いっぱいをかけ、東京でシンポジウムをもち、グローバル化のもとで、アジアの村や町、暮らしの現場で何が起こってるかが報告され、こうした状況を変えるためのアジアの人々の共同の運動をどうつくっていくかが話しあわれました。近く報告します。今日は稲垣さんの15日の報告を掲載します。

 その前に、今回の取り組みの趣旨とゲストの紹介です。

<今回の取り組みの趣旨>
①今年12月合意をめざして交渉を急いでいるWTO対抗運動の一環
②平行してアジアで急速に進んでいるFTAが日本を含みアジアの人々に何をもたらすかを共有し、アジアでの共同の運動づくりを考える。。
③WTOとFTAを促進することで東アジア(東北アジアと東南アジア)を自由貿易地域として、その先に東アジア共同体を構想する動きが企業や各国政府で急速に進んでいる。その影にグローバル化で苦しみ、生存条件を壊されている多く人々がいる。そのことを前提にした東アジア共同体の動きに『異議あり』をいう。
④具体的にはこの15.16日に東京で開かれた世界経済フォーラム東アジア会議に対抗するふーラムと、このシンポを位置づける。

<海外ゲスト>
ジョセフ・ブルナガンさん(フィリピン):フィリピンにおけるWTO/FTAに反対するネットワーク組織「Stop the New Round Coalition, Philippines」の活動者であり、アジアの声を代弁するNGO「Focus on the Global South」のスタッフ。

キンコン・ナリンタックさん(タイ):タイのグローバル化に反対する運動体のネットワーク「FTA Watch Thailand」の活動者であり、タイ北部農村で活動する「Thai Action on Globalization」のメンバー。
農業問題に詳しい。

ピョン・ジョンポル(韓国):いま韓国で大きな問題になっている韓米自由貿易協定(FTA)の国民的な反対運動組織「韓米FTA阻止汎国民運動本部」の政策スタッフ。非正規職労働者問題にも取り組む。

(以下、いながきさんの報告)
今日は、17日におこなわれる「東アジア共同体に異議あり!」シンポの参加ゲストが国会議員会館で報告を行い、同時に開催されている世界経済フォーラム・東アジア会議へ申し入れを行い、夜には日本の社会運動とのネットワークの交流について意見交換を行った、1日行動でした。
以下、15日の1日行動の不完全メモです。

▼議員会館での報告会

議員会館で行われた「自由貿易によるアジアの人々への影響に関する報告会」は、国会が明日で終わるとか、日銀総裁の村上ファンド問題についての予算委員会での答弁とかで、参加者はあまり多くありませんでしたが、ジョセフさん(フィリピン)、キンコンさん(タイ)、ジョンピルさん(韓国)の皆さんから、とても重要な報告がありました。詳細はすでにレポートとしてデータになっており17日の報告会などでも報告されると思いますので、そちらに譲ります。

▼フィリピン:途上国の微妙なスタンス

ジョセフさんは、WTOやFTA交渉の問題点をフィリピンを例に出して話しました。一方で市場開放を進めようという政策、一方で圧倒的に弱い立場で国際交渉に望まなければならないジレンマがある。フィリピンの主権が自由化交渉の中で狭められているということを訴えていました。看護士の送り出しについては、日本政府がそれを受入れても、日本とフィリピンの医療問題は長期的にみて解決することはない、フィリピンにおける医療スタッフの海外流出はフィリピンの保健衛生にとっても大きな影響がある、と訴えました。

▼タイ:同時刻にバンコク日本大使館へ申し入れ

キンコンさんは、市場開放が進むタイの小農民や零細企業などが、中国やオーストラリアからの大量で安い農産物などに大きな影響を受けていることを具体的な例をだして訴えました。しかしそうした悪影響を受ける人ばかりではなく、一握りの大企業は自由貿易で恩恵を受けており、そのような人々が貿易交渉に大きな影響を及ぼしている、ということを訴えていました。
ちょうど同じ時間に、バンコクの日本大使館に対してタイのFTAウォッチの仲間が不透明なタイー日本FTA交渉を中断することを訴えた小泉宛の申し入れを行っていることも紹介しました(その後、ぼくたちは首相官邸前をとおって-ひっそりと心の中で「自由貿易反対!小泉退陣!」をつぶやきながら-キンコンさんに首相官邸をしょうかいしたのですが)。

▼韓国:FTA推進は多国籍企業のため

ジョンピルさんは、韓国政府が突然宣言した韓米FTA交渉の開始に対して韓国の社会運動が総力で反対している状況を紹介してくれました。とりわけ大きな影響をうける農民(FTA締結後に韓国農民は45%まで減少する、など)のたたかいを紹介しました。また韓米FTA反対闘争でアメリカの労組や議員などと連携を作り出せたことも紹介されました。またFTAによってガスなどの公共サービスの民営化も狙われていることも紹介しました。資本の論理ですすめられるFTAは、多国籍企業の利益のためであるとも批判しました。

▼国鉄民営化解雇撤回の国会前座り込みに連帯のアピール

報告会を終了して、議員会館地下食堂で昼食をとったのち、国会前で座り込んでいる国鉄を不当解雇された複数の労働組合の座り込みを訪問しました。ちょうど一昨年ポルトアルグレのWSFに一緒に参加した国労の方がいたので話が弾み、ジョンピルさんが連帯の発言を行いました。韓国でも国鉄不当解雇問題でたたかう人々の話をしっており、この問題の解決はあらたな社会運動の前進につながる希望だ、と連帯発言を行いました。

そして首相官邸を「資本の東アジア共同体反対!」と心の中でつぶやきながら通り過ぎ、WEF会場になっている東京プリンスへ移動しました。キンコンさんはこの日の早朝に到着してそのまま国会議員会館に駆けつけたこともあり、非常に疲れていたので、僕らは彼女をホテルまで送っていき、申し入れには参加しませんでした(・・・って申し入れ、どうでした?)。

▼アジアのネットワークの交流を

夜、総評会館で、アジアの運動の意見交換会をおこない、キンコンさんもそこに合流、韓国、フィリピン、タイ、香港(ちょうど日本に来日していた香港の活動家で香港WTOではお世話になった方)そして日本のさまざまなセクターの方が参加し、今後のネットワークの必要性について討論しました。各国の運動のネットワークの情報を海外へ発信することの必要性などが提起されました。けっこうたくさんの重要な事柄が話されました。香港の反WTOの運動ネットワークの話も興味深く聞きました。WTOは今年いっぱいが勝負なので、日本でも宣伝ととりくみを強化する必要があるな、と個人的には思いました。(散漫な報告ですいません)

その後、アジアのネットワークのプレ交流を夜遅くまで行いました。みなさん1日ご苦労様でした。そして、17日の集会にはぜひご参加ください。16日夜には、京都(キンコンさん、ジョセフさん)、新潟(ジョンピルさん)集会も行われます。その報告ももしあれば嬉しいです。また肝心のWEFのほうがどうだったのかも分かれば報告をながします。

いながき

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