Monday, May 21, 2007
「日豪自由貿易協定はいらない─意味のない交渉の中止を 日本およびオーストラリア市民社会の共同声明」への賛同のお願い
日本とオーストラリアとの経済連携協定(EPA)の交渉は、4月23~24日に第1回目がオーストラリアの首都キャンベラで開かれ、今後、2~3ヶ月ごとに相互で開催されることになっています。第2回目は、7月下旬に東京で開催される予定です。
この日豪自由貿易協定は、農業・食料や様々な産業、環境、サービス、人権などに影響を与えるものです。そのことは、日本だけではなく、オーストラリアにおいても、市民団体で明らかにされています。
私たちは、これから本格的に行われようとしている日豪自由貿易協定に反対する立場で、オーストラリアの市民団体と共同声明を作りました。そして、この共同声明への賛同を幅広く呼びかけています。賛同いただける団体・個人については、次のようにご連絡をいただきたくお願いします。
記
1.共同声明の内容
別記の通り。
2.オーストラリアでの呼びかけ団体
オーストラリアでは、AFTINET (公正な貿易と投資のためのオーストラリア・ネットワーク AustralianFair Trade and Investment Network)が中心となっています。AFTINETは、オーストラリアの90以上の団体(地域の組織、教会グループ、労働組合など)および個人がつくる、公正な貿易と投資を求めるネットワークです。調査・研究などを中心に、WTOやFTAに関する教材、ニュースレターを出しています。豪タイ自由貿易協定、豪米自由貿易協定についても、豪州政府に意見書を提出して活動しています。
3.日本での呼びかけ団体(五十音、ABC順)
AMネット、ATTACジャパン、アジア農民交流センター、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン、(株)オルター・トレード・ジャパン、グローバリゼーションを問う広島ネットワーク、国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会、さっぽろ自由学校「遊」、市民セクター政策機構、食政策センタービジョン21、食の安全・監視市民委員会、食の安全と農の自立をめざす全国連絡会、全日本農民組合連合会、全日本開拓者連盟、全国乳価共闘会議、全国出稼組合連合会、脱WTO/FTA草の根キャンペーン、日本消費者連盟、日本ネグロス・キャンペーン委員会、ピープルズ・プラン研究所、ふーどアクション21、フォーラム平和・人権・環境、北海道農民連盟、横浜北生活クラブ生活協同組合(以上24団体 5月18日現在)
4.賛同案内
①共同声明に賛同される団体、個人は、名称(日本語、できれば英語表記も)、住所、電話、メールアドレスを明記して、WTO・FTA市民連絡会事務局に連絡してください。メールアドレス:ichimura@gensuikin.org 住所=東京都千代田区神田駿河台3-2-11 総評会館1階 フォーラム平和・人権・環境気付 担当・市村まで
電話03-5289-8222 FAX03-5289-8223
②期限は6月末までとします。
③賛同団体・個人の公表は、7月下旬に行われる予定の日豪FTA第2回会合にあわせて行います。(公表に支障がある場合はお知らせ下さい)
5.その他
呼びかけ団体には、別途、添付ファイルで共同声明文を送ります。添付ファイルでご希望の場合は、ご連絡下さい。呼びかけ団体の追加も随時受け付けていますので、その旨を同様にご連絡下さい。
《共同声明文》
日豪自由貿易協定はいらない―意味のない交渉の中止を
日本およびオーストラリア市民社会の共同声明
私たち、この共同声明に賛同する個人・組織は、日豪自由貿易協定(日豪FTA)は両国の人々にほんとうの利益をもたらさないと信じています。日豪両政府が2006年12月に発表した『日豪経済関係強化のための共同研究-最終報告書』では、FTAが両国に利益をもたらすと強調しています。しかし、それは非現実的な仮定と貧弱な経済モデルの上に組み立てられたものです。また共同研究は社会・環境への潜在的影響と、それによって人びとや労働者、農民がどんな影響を受けるかについて考察していません。
日本とオーストラリアの間にはすでに強い貿易関係が存在している、予測されている経済的恩恵が非現実的である、社会・環境コストについて考えられていない、以上の点から、私たちはFTA交渉を行なうべきではないと考えます。必要なのは、多国間貿易ルールを再考し、真の発展と公正、民主主義、持続可能性の上に立つグローバルな貿易システムだと、私たちは考えます。
1 農業
私たちは、協定に農業問題が入ることを憂慮している。もし農業分野の完全な自由化が実施されれば、とくに日本の農家は大打撃を受ける。日本は現在、農家と影響の大きい(センシティブな)農業関連産業を保護するために最大で700%の農産物関税をかけているからである。日本の農家は、安価な農産物の輸入によって深刻な打撃をうける。オーストラリアでは、グローバルな競争と構造調整の結果、小規模な家族経営農家は急減している。
日豪の消費者は、いま各国の間で交渉が進められている自由貿易協定が食の安全基準を引き下げる圧力となり、将来的に遺伝子組み換え作物の世界的な流通が促進されることに深い懸念を持っている。
貿易交渉によって農民の暮らしが破壊されてはならない。大事なのは、食糧主権と農村の発展、農民の暮らしの保護に立脚したグローバルな農業システムである。
2 環境と地球温暖化
「最終報告書」が、国連が採択した多国間環境条約に言及していないことに対しても、私たちは憂慮している。日本とオーストラリアの間で締結されるいかなる協定も環境問題について徹底して検討し、国際的な環境基準を遵守するための国内法の整備を含むべきである。
また「最終報告書」が、「エネルギーの安定供給」を確保するためFTAにエネルギーと鉱物に関する章を盛り込んだことにも、大きな疑問がある。貿易協定がなぜ企業間の契約で決められるべき安定供給について言及するのか、理解しがたい。 オーストラリア政府は補助金や輸出補助金という形態で石炭産業に対する助成をしておらず、日本は鉱物とエネルギー分野では概して自由貿易政策を採っている。したがって、FTAがエネルギーと資源の貿易に与える影響は何もない。いま巨額の利益をもたらす産業として拡大しつつある石炭産業は、地球温暖化と環境に甚大な被害を与えかねない。
事故や核廃棄物、核兵器の拡散など解決できない危険性があるにもかかわらず、核エネルギーの利用も図られている。したがって、代替エネルギーへの投資に焦点をあてること、そして貿易による地球温暖化への影響緩和についての条項を含めること、に焦点をあてるべきである。
3 基本的なサービス
保健衛生や水、教育などの基本的サービスはFTAから除かれるべきである。基本的なサービスのための均等なアクセスを保障し、社会と環境の目的を達成する権利は、両国政府が保持すべきものである。
私たちは、とくに共同研究で述べられている「GATS(サービス貿易に関する一般協定)プラス」を憂慮している。オーストラリアも日本もすでにGATSが対象とするサービスから公共サービスを除外することを公約しようとしてきた。したがって、GATSの対象範囲を拡大しようというのは驚くべきことである。それは、日豪両政府が国民の利益のためにサービスを保護することを優先せず、利潤を求める多国籍サービス供給企業のために動いていることを示すものだ。
公共サービスは貿易協定から除外されるべきである。
4 人権と労働の権利
日豪両政府がすでに批准している人権や労働基準(「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を含む)の遵守状況についての分析を、共同研究は行なっていないことを、私たちは憂慮している。
日本とオーストラリアの間で提案されるいかなる協定も、人権・労働基準について詳細に検討し、投資家が人権と労働基準を遵守するための強制力をもつ公約(実効性のある監視メカニズムと違反した場合の罰則)を取り入れるべきである。
5 公聴会と開かれた議論
「共同研究」を進める過程において、実効性のある透明性の高い公聴会が開かれたかどうかについても私たちの危惧するところである。日豪両政府が、貿易協定を提案しようと考えるならば、それが暮らしや仕事、環境にどんな影響を与えるかについて、充分な時間を取って、充分な情報を公開した上で、広い議論を行なうべきである。自由貿易協定の協議プロセスをどう進めていくかに関して、両国政府は原則と目的をはっきり持つ必要があり、労働組合や農民、地方自治体、関心を持つ人びととの定期協議がそのプロセスに含まれるべきである。
私たちは日豪FTAに反対します。いま世界中に広がっている二国間貿易協定は、大多数の人びとに何の恩恵ももたらさない不平等な協定でしかないからです。私たちは、多国間貿易ルールは、真の経済発展をもたらす包括的で民主的なグローバル貿易システムをめざすもの、各国政府が住民の利益のために規制する権利を保持するものに生まれ変わるべきだと信じています。
WTO/FTAへのアジア民衆の共同行動に必要性を確認 京都ADB対抗市民フォーラムワークショップで
アジア開発銀行(ADB)京都総会にあわせ開催したNGO/市民運動による「市民フォーラム」で、脱WTO/FTA草の根キャンペーンは「関西よつ葉連絡会」、「地域・アソシエーション研究所」と共催で5月5日、「WTO/FTA下のアジアの経済と人びとの暮らし-農業・農村を中心に-をテーマにワークショップを持ちました。
ワークショップでは、脱WTO/FTA草の根キャンペーンの大野和興が問題提起をした後、海外からのスピーカーとしてフォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスのジョゼフ・プルガナンさん、アジア太平洋食糧主権ネットワークのアリス・レイムンドさん、また日本からは日本消費者連盟の山浦泰明さんがグローバル化のもとで日本の農業がどうなったかを報告しました。
また、最近合意に達した韓米FTAの問題点と今後の運動について韓国・韓米FTA阻止汎国民運動本部のキムさんから特別報告受けました。
討論では地域・アソシエーション研究所の山口協さんとATTACジャパンの秋本陽子さんの課題提起を受け、グローバル化と地域、バイオ燃料と食料・環境問題などを含む幅広い問題が話し合われ、WTO/FTA、ADBが進める開発に対するアジアにおける共同の運動の必要性が確認されました。
ワークショップのコーディネーターは市村忠文(フォーラム平和・人権・環境)さんと津林邦夫(地域・アソシエーション研究所)さんがつとめました。
このワークショップについて、フォーカス・オンゼ・グローバルサウスのホームページが5月6日付で報告してますので、以下それを紹介します。
2007年5月6日(日)
本日、「ADB京都総会・市民フォーラム」では、WTO/FTAに関する一連の論議が行われた。経済的な主権こそ、その根幹をなす主張だったと言えよう。
WTO/FTA問題に取り組むフィリピン、日本、韓国の活動家たちは、WTOドーハ・ラウンド交渉のみならず、アジアにおける二国間ないし地域的な自由貿易協定に関する最新情報を共有するとともに、そうした交渉を頓挫させるべく闘いを強化すると誓った。
フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスのジョゼフ・プルガナンは、次のように述べた。
「ドーハ・ラウンド交渉は、開発という課題への取り組みを目的としながら、開発という点で貧困諸国が最も関心を持っている貧困や不平等、飢餓、失業、あるいは、民衆が水や衛生といった社会サービスに与る機会が極めて少ないなど、そうした広範な問題については等閑視を決め込む一方、農産物や海産物、工業製品に関する関税削減や補助金の許容範囲をめぐる数値に、ますます取り憑かれている。」
プルガナンは、こうした野心的な自由化の追求によって、農産物や海産物、工業製品に関する関税率はさらに削減されるだろう、と警鐘を鳴らした。その行き着く先は、アジアにおける収益と失業の際限のない二極化である。まさに、今回議論された最も重大な問題の一つこそ、多国間ないし二国間の自由貿易協定、さらにADBのような国際金融機関の政策と計画によって、いかに農業が損なわれているか、アジアにおける食糧主権がいかに蝕まれているか、ということであった。
「貿易の自由化よって、フィリピンなどの国々では、自国の人々が必要とするものよりも、むしろ富裕な先進諸国の求めるものを生産するという状況にあります」。アジア太平洋食糧主権ネットワークのアリス・レイムンドは、そう嘆いた。
レイムンドは、その例証として、1990年代のフィリピンにおけるエビの養殖ブームを挙げた。エビの養殖は、日本における需要の高まりに応じて供給するために行われたものだ。
「主食となるべき農産物の生産が、輸出を目的とする高付加価値産品の生産へと転換しています。中国は現在、フィリピンとの二国間協定を通じて、バイオディーゼルの原料となるキャッサバやサトウキビの生産を増大するよう求めています」。レイムンドは、そう付け加えた。
アジア地域における貿易の自由化に向けた攻撃的な圧力がこれまで以上に強くなっていることは、多国間貿易交渉たるドーハ・ラウンドの妥結にむけた動きにおいてではなく、むしろ、近隣諸国で妥結されている二国間ないし地域的な貿易交渉たるFTA/EPAにおいて明らかである。
韓国と米国のFTAは、今年調印されたFTAの中でも、最も象徴的なものの一つである。韓米FTA阻止国民運動本部のキム・エファは、米国との調印が、「アジアにおけるさまざまなFTAの妥結に至る道を掃き清める」ことになりかねない、との憂慮を表明した。キムによれば、闘いはまだ終わっておらず、FTA協定が批准の過程に入りつつあるこの数ヶ月、韓国での反対運動は強まっている、という。
WTO/FTAに関する本日の集会は、反WTO/FTAを掲げるアジア全域にわたる多様な運動の間に、これまで以上に大きな共同の取り組みが必要であること、公正さと正義を欠いた貿易協定への対抗運動の強化、オルタナティブへ向けた働きかけの強化が必要であることを訴えて幕を閉じた。
(山口協訳)
Wednesday, May 02, 2007
アジア開発銀行(ADB)対抗市民フォーラムでワークショップを開きます
《アジア開発銀行(ADB)京都総会・市民フォーラム分科会のご案内》
■ 日 時 5月6日(日)
■ 場 所 同志社大学今出川キャンパス 至誠館
〒602-8580 京都市上京区今出川通り烏丸東入
【交通】 地下鉄「今出川」駅から徒歩1分、 京阪「出町柳」駅から徒歩15分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
WTO/FTA下のアジアの経済と人びとの暮らし-農業・農村を中心に-
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■主催 脱WTO/FTA草の根キャンペーン実行委員会/関西よつ葉連絡会
/地域・アソシエーション研究所
い まアジア全域でWTO/FTAをテコに国境を超えた急速な市場経済化が進んでいます。
それは人びとの暮らしにどんな影響をもたらし、どういう社会を生む か。それ
に対して私たちは、人びとが安心して平和に生きていくために何を目指し、何を
しなければならないか。アジアの農業と農村の現状を踏まえながら、食 料主権、
さらにはバイオ燃料開発など新しい資本の動きも念頭におき、海外ゲストととも
に討論します。
◆コーディネーター:市村忠文(フォーラム平和。人権・環境)
津林邦夫(地域・アソシエーション研究所)
■■ 朝の部(9:30-12:00) ■■
課題提起:大野和興(脱WTO/FTA草の根キャンペーン)
報告① アジアにおけるWTO/FTAの動向と民衆の運動(通訳要れ40分)
(フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスから)
報告② 食料主権をめざすアジアの農民の運動(同40分)
(アジア太平洋食料主権ネットワーク・フィリピンから)
報告③ 日本におけるWTO/FTA の農業への影響と農民・消費者の運動(20分)
(山浦康明さん、日本消費者連盟)
質疑
■■ 夜の部(16:00-18:30) ■■
午前の部を受けての討論です。韓国からのゲストに韓米自由貿易協定問題について
特別報告をいただくと同時に、アジアの農業・食糧問題に大きな影響を与えるバ
イオ・エタノール問題、グローバル化に地域からどう対抗するかについて課題提
起を行い、討論します。
特別報告:韓米FTAのたたかい(韓国・韓米FTA阻止汎国民運動本部から)
討論の問題提起
バイオエタノール開発と人々の暮らし(脱WTO/FTA草の根キャンペーン 秋本陽子)
グローバル化と地域・協同((地域アソシエーション研究所 山口協)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本の廃棄物輸出政策 -3Rイニシアティブと経済連携協定-
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本がアジア諸国と締結を急いでいる経済連携協定(EPA)には、日本からの有害廃棄
物の関税をゼロにする条項が含まれていることがわかり、アジア諸国のNGOの間
で反発が高まっています。 日本政府は中古品や廃棄物などのリサイクル資源の
国際市場形成をはかるとして、3Rイニシアティブ、非関税障壁の回避(バーゼ
ル条約外し)、及び経済連携協定(EPA)の廃棄物輸出政策の3本柱としていま
す。
日本、アメリカ、フィ リピン、タイからのNGOが有害廃棄物輸出に対する取組を報告します。
【日時】 5月6日 13:00~15:30
【プログラム】
1.日本の廃棄物輸出政策の分析 (40分)
安間 武 (化学物質問題市民研究会)
2. BANビデオ (20分)
中国への電子廃棄物の輸出(日本語解説付き)
3 廃棄物貿易の国際的展望とフィリピンの経験-JPEPA (50分)
リチャード・グティエレス(Richard Gutierrez) (逐語通訳)
(バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)/アジア太平洋地域)
4. タイは国際的ゴミ捨て場か? 有害廃棄物貿易とタイ (40分)
ターラー・ブアカムシー(Tara Buakamsri) (逐語通訳)
(グリーンピース/東南アジア)
【参加費】 500円
【主催】バーゼル・アクション・ネットワーク/グリーンピース東南アジア
/化学物質問題市民研究会/関西フィリピン人権情報アクションセンター
/脱WTO/FTA草の根キャンペーン実行委員会/廃棄物貿易監視ネットワーク
Wednesday, March 28, 2007
パレスチナ農村復興NGO、国連事務総長のパレスチナ訪問に際し、分離壁の人道被害解決を要請
07年03月24日(土)
PARCから国連事務総長
Ban Ki-moon国連事務総長のパレスチナ訪問に際しての要請文
国連事務総長Ban Ki-moon様
パレスチナ及び多くの国際市民団体は貴下のパレスチナへの訪問を心より感謝します。そして貴下の訪問が、地域における互いの尊重と信頼の関係、とりわけ国際法を尊重し信頼するという雰囲気の醸成に繋がることを期待するところです。この機会を利用して分離壁とそれによる占領下パレスチナの状況がもたらしている「パレスチナの人道被害の国連への登録」について貴下が目を向けていただきたく要請をするものです。
各国及びパレスチナの諸団体は貴下の和平醸成の努力に感謝するものですが、併せて国連事務総長として、占領下パレスチナにおける分離壁の建設についての法的な判断をした2004年7月9日の国際司法裁判所の勧告執行を国際社会に対して呼びかけ、国連を含む和平協議4者(他に米・EU・露)の関心を呼び起こされるようお願いするものです。
この点に関して、「国連人道被害登録」の専門部会は、「国連人道被害登録」を国際司法裁判所の裁決の執行の重要な要件として立ち上げられたことを歓迎します。我々は「国連人道被害登録」が、分離壁建設とそれに伴う状況がもたらした被害に対して将来賠償が行われる場合には、かけがえの無い情報・根拠を提供するものとなると確信しています。
しかし我々専門部会は「国連人道被害登録」の立ち上げに際しての透明性の欠如、とりわけ理事会の指名やスタッフ選出基準、「登録」の実施や調査、そして国連機関を含む国際組織やパレスチナの団体の関与と役割などについてその危惧をぬぐえません。我々は全ての過程に参画し、スタッフ選定基準、含まれるべき人道被害の範囲、請求受け入れの過程や基準、提出された請求の評価、そして社会の関心を呼び起こすキャンペ-ンにおいて貢献をさせていただきたく思っています。
従って、貴下に対して国連、パレスチナ諸団体、国際組織間の調整機能を強化され、この件について市民団体が関与できるよう、強く要請するところです。また、できれば書面にて貴下の主要な関心事をお教えいただければ幸いです。
最後に、我々専門部会は、この件について貴下のお立場を代表されるドゥ・ソト氏とお会いし、パレスチナと様々な国際組織の果たしうる役割について更に協議できればありがたいと思います。
是非前向きにご検討いただき、将来、共に国際司法裁判所の裁決の執行のために働けることを祈念いたします。
敬具
国連人道被害登録専門部会より
(PARCはそのメンバ-となっている)
※国連(パレスチナ)人道被害登録:06年12月15日に国連総会にて決議された。
Monday, March 05, 2007
脱WTO/FTA ニュース(第五期2号)
脱WTO/FTAニュース
脱WTO/FTA 草の根キャンペーン実行委員会(第五期)
(編集・発行人 大野和興)
■日豪EPA交渉反対で集会開かれる
日本農業に大きな打撃を与えるオーストラリアとの自由貿易協定の問題について、1月30日に、農民・消費者団体の緊急集会が130人の参加を得て開かれた。集会では、日豪自由貿易協定によって、関連産業も含め、3兆円もの損害が生じることから、食の安全と農業、地域経済を守るため、自治体意見書採択など消費者、生産者、商工業者が力を合わせて運動を展開することを確認した。
集会の海外ゲストとして招いた韓国・全国女性農民会総連合のシム・ムニ事務総長は、韓国とアメリカのFTAの問題点を指摘。韓米交渉では、モノの関税削減ばかりでなく、BSE対策や遺伝子組み換え表示制度、韓国映画の保護対策などへも米国が規制緩和の圧力をかけていることから、様々な団体が参加して交渉に反対する動きが盛り上がり、米国へも闘争遠征団も送り闘っているとの報告があった。
農民・消費者団体では、3月8日にも集会を開くことにしている。(午後1時30分~衆議院第2議員会館第1会議室)。問い合わせは全日農まで(電03-3451-4721)(市村忠文)
■ アジア開銀(ADB)京都総会に向け市民フォーラム
5月4~7日、京都でアジア開発銀行(ADB)年次総会が開催される。ADBはアジア途上国の経済発展に寄与するために開発援助することを目的として'66年に正式に発足し、総裁には米国と並ぶ最大の出資国の日本人が就任している。これまでADBは数々の開発プロジェクトを実行してきたが、ほとんどが、ダム建設や水の民営化など現地住民の意向を無視したプロジェクトであるために、NGOや社会運動から激しい批判を受けてきた。京都総会ではアジアのグローバル化をより一層進めるために、FTA(自由貿易協定)や金融の統合など、新自由主義に基づく地域経済統合の討論が行わる。
ADB京都総会開催にあたり、「開発や貧困を考えるための「ADB京都総会市民フォーラム(場所:京都)」が5月5~6日に社会運動グループ、NGOによってもたれる。 (秋本陽子)
■OIEは安全性より貿易推進を重視する
鶏インフルエンザ、口蹄疫、BSEなど動物の感染症と人獣共通感染症対策を検討する国際機関・国際獣疫事務局(OIE)が定めるOIEコード(家畜の国際取引のための衛生規約)は、WTOに含まれるSPS協定によって国際基準となっている。そのOIEのコード委員会で、BSEなど上記の動物の病気の発生国であっても国内で発生施設の疾病対策をとれば、清浄施設からの食肉や生体輸出を可能にするという例外措置が3月の委員会で認められようとしている。またOIEはBSEに関して「生体牛・肉骨粉の貿易条件の変更」「頭蓋骨、脊柱をゼラチン、コラーゲンとして利用する条件の緩和」を画策している。日消連など消費者団体は、政府が2月2日に開いた意見交換会で、「貿易推進のために安全性を犠牲にする措置を認めるべきでない」と訴えた。(山浦康明)
【お知らせ】
●連続学習会「WTO・FTAを超えて=新たな貿易ルールを求めて=」の第6回は07年3月13日(火)午後6時30分から総評会館501号室(東京・御茶ノ水)で開催。テーマは「アジアへの有害廃棄物輸出とFTAS/EPA(自由貿易/経済連携協定)」(報告:化学物質問題市民研究会・安間武さん)
●ADB京都総会対抗の首都圏プレフォーラムを開催:4月17日(火)午後6時30分から東京・総評会館501号室で「アジアの村でいま何が起こっているか=グローバル化と開発に陰で=」をテーマに開きます。
| 連絡先:〒113-0001 東京都文京区白山1-31-9 小林ビル3F ATTAC気付 tel:03-3813-6492 fax:03-5684-5870 Email:ower-derail_wto@freemal.com |
Thursday, February 22, 2007
連続学習会第5回 「アメリカを変えよう!」
******
川上さんは、先ごろ翻訳が出版された、ジョン・ガバナー、ジェリー・マンダー編『ポスト・グローバル社会の可能性』という本の内容要約をしました。このテキストの著者には、バンダナ・シバやウォルデン・ベローなどの名前も挙がっていますが、主にアメリカのNGO活動家が多く含まれています。かれらは各国のNGOの論客から構成され、アメリカに拠点を置く「International Forum on Globalization(IFG)」というシンクタンクに所属しています。
テキストの前半は、企業支配の強化、それを支えているIMF・世銀・WTOに対する批判が展開されています。本書の特徴は、これらの制度に対する批判に加えて、後半部では具体的な代替案についての議論が繰り広げられています。
まずは「コモンズ」です。生命と生存の根本にかかわる環境・文化・知識・公共サービスは、私有化、独占されてはならないという原則を強調しています。次に「サブシディアリティ(地域主権主義)」です。これは「すべての決定は、決定を下せる統治機構のうち、一番下位レベルで下す」という原則です。具体的な政策としては、地産地消、小規模農業、地域企業支援などを挙げることができます。
企業活動を監視して、規制を課す機関として、テキストは次のものを挙げています。まずブレトンウッズ機構を廃止(WTOは縮小、世銀・IMFは廃止委員会を設ける)して、国連貿易開発会議(UNCTAD)を活用します。そして新たなグローバル機関として、国際破産裁判所で債務帳消し計画を練り、国際金融機関で途上国に融資し、国際環境機関で環境協定の実施を支援するといった構想が披露されています。
質疑では、まずアメリカ全体でIFGの主張がどのように見られているのか、という質問が出されました。西部地方ではグローバリゼーションの問題性は広く共有されており、IFGは決して奇異に見られているわけではなく、NGOの間で信頼を得ているそうです。
次の質問は、中南米の反米州貿易協定の動きをどう見ているかというものでした。テキストには入っていないが、かれら自身運動のネットワークをもっており、つながりはあるであろう、という答えでした。さらに、オルタナティブとしてのUNCTADの可能性を評価しているが、第三世界=非同盟諸国という基盤がなくなった現在、こうした可能性の評価の妥当性はどうか、という質問も出ました。カンクンでもNGOとUNCTADの情報交換がされるなど、両者は近い関係にある。確かに現実のUNCTADの影響力は落ちているが、ほかに有力な可能性が見られない以上、ひとつの選択肢として考えるべきではないか、と話されました。加えて、アメリカのNGOはアメリカ政治自体の変革をどう考えているのか、という質問も出ました。これにはIFGの主たる関心は、企業の規制に向けられていると答えました。
次回は3月13日(火)の18時半から総評会館で、化学物質問題市民研究会の安間武さんに来ていただき、「FTAで有害廃棄物の輸出促進!日本のリサイクル資源の国際市場の形成促進政策―3Rイニシアティブ、自由貿易協定、非関税障壁の回避」というテーマで学習をします。ぜひご参加ください。
_______________________
脱W第4回連続学習会 「どうするWTO―世界のNGO(オックスファムとフォーカス)からの提案」
************
【オックスファムの活動】
まず山田さんが、「グローバルな貧困・不平等とWTO/FTA―オックスファム・インターナショナルのビジョンと戦略」というタイトルで、報告をされました。最初に山田さんは、本日の報告がオックスファム・インターナショナルの見解ではなく、個人的見解と断ったうえで、オックスファムの活動を話してくれました。
オックスファムの活動の三本柱は、緊急人道支援、長期開発支援、アドボカシー・キャンペーンで、特にオックスファム・ジャパンは、貧困・人道問題に関する日本政府の政策変更を求めることを主たる活動にしているそうです。
活動のよりどころは人道主義に置かれ、政治的中立が基本方針です。様々な模索の末に現在では「権利ベースアプローチ」を採っています。それは「貧困者=権利保持者」が「政府・企業・NGO=義務履行者」に自らの生存の権利を要求するという関係を基礎にしています。
そして貧困者の権利要求や途上国政府の義務履行を制限する構造を変えるため、オックスファムは先進国政府や国際機関に対して、アドボカシーをおこなっているそうです。
オックスファムにとっての貿易問題とは、「持続的な生計に対する権利」の達成に障害となっている経済的不正義の一環です。貧困の下で暮らす人々が食糧と収入の安全保障を獲得し、安定した賃金雇用を手にし、尊厳の確立された労働条件で働き、利益を得て、エンパワーされることが目的です。
そこで貿易に関する現状ですが、残念ながらこうした目的とはかけ離れた状況にあり、富裕国と企業の支配が貧困者を苦しめています。特にWTOドーハ開発ラウンドでは、「相互主義の軽減」や「特別かつ差異ある待遇」といった途上国の関心事項は後回しされ、先進国政府の攻勢的利害が強力に推進されています。ただしラウンド開始前に比べて、途上国は交渉能力をつけてきています。そして内部のロビーイング(insider)と外部の抗議行動(outsider)が途上国政府を励ましています。
ドーハ・ラウンドの凍結、自由貿易協定(FTA)へのシフトは、途上国の貧困者にとって深刻な事態だそうです。WTOのなかでまがりなりにも合意された事項も、FTAでは先進国有利に変えられてしまっています。投資、政府調達、ドーハ宣言を無視したTRIPSルールが盛り込まれる一方で、国内支持の改革・削減、ダンピングなどは盛り込まれていません。しかも一度合意した自由化は、後戻りできないのです。二国間協定によって複数の交渉が同時並行で進むと、途上国の少ない交渉担当官の能力を超え、結果として慎重な分析や議論を経ずに締結される可能性もあります。
そこでオックスファムの戦略ですが、究極の目標は、開発と貧困削減を促進する貿易協定、そして現在の直接目標は、FTA、WTOプラスのルールを強要する協定の阻止におかれています。開発を目的とした地域内貿易交渉をめざし、FTAへのオルタナティブの動きを支援しています。グローバル化した経済のルールを規定すべき政府は、主権国家制度を前提としています。したがって、各国の合意により多国間の貿易ルールを決める国際機関は必要であり、それは現在のところはWTOしかないので、ドーハ・ラウンドの精神に立ち返った形でのラウンド交渉の再開を求めているそうです(Bad deal よりはSlow round)。ただし交渉内容は、凍結時点からではなく、「途上国の利害を中心に据えた」議題設定からおこなうよう提案しています。
【フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスの活動】
以上の山田さんの報告の後に、秋本さんがフォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスについて紹介してくださいました。バンコクほか、アジアの三箇所に事務所をおくフォーカスは、オックスファムに比較すると小規模ですが、充実した調査で知られています。フォーカスの主たる活動は、運動を作り出すというよりも、調査研究にあります。調査活動を通じて運動に関する提案をおこなっています。すなわちフォーカスは、WTOに関する知識をほとんど持たない途上国の農民や労働者に対して、情報提供をすることを仕事にしているそうです。
ここで秋本さんは、WTO香港閣僚会議のケースを例に出しました。05年12月のWTO香港閣僚会議に向けて、その年の1月の世界社会フォーラムでWTO交渉に関する意見交換をしました。翌月には今度は香港で、現地の活動家と情報交換をし、香港の社会運動への支援を表明しました。さらに8月にはバンコクで、11月には釜山で、具体的な打ち合わせをして、12月の香港WTO閣僚会議に結集させました。フォーカスはこのプロセスに一貫して寄りそって、動員を支援したそうです。
次に貿易の現状とWTOドーハ・ラウンド、FTAに対する評価を話してくださいましたが、この点に関してはかなり山田さんの報告と重なる点が多かったです。途上国に不利なコンセンサスを止め、大国や企業の支配から自由な多国間貿易ルールを作るという点は、両者に共通する主張でした。オックスファムとの重要な違いは、多国間貿易ルールをWTOの外部に作るべき、とする点です。「Bad deal」ではなく「No deal」というのがそのスローガンです。こうした「Bad deal」を推進するイデオロギーを「新自由主義的グローバリゼーション」と名づけ、新自由主義ではない、もう一つのグローバリゼーションをめざすことの必要性を唱えました。ただし多国間貿易ルールの形は、まだ見えていないのが現状であるともつけ加えました。
【フロアとの討論】 まず「新自由主義的グローバリゼーション」をどう考えるか、そのケーススタディとして、香港閣僚会議での日本政府による「開発パッケージ」をどう評価するかという質問が出ました。
秋本さんは、「開発パッケージ」=貧困対策の名目の地球規模の市場化の推進であり、貧困者の生活を改善しないと指摘しました。山田さんも、「開発パッケージ」が、貧困の構造(貿易ルール)を問題にしていないし、交渉戦術としての側面も強いので、問題があると話しました。
続けて山田さんは、世界中にはすでに市場経済に組み込まれているにもかかわらず、十分な保証を受けていない人びとの今日の生活のために、現金収入を得る必要があるのではないか、と述べました。ただし貿易を拡大すれば自動的に貧困者は潤うのかといえば、そうではなく、中間業者や企業の搾取構造を同時に変えなくてはならない、と留保をつけました。
次の質問者は、貿易ルールを規定する多国間の機構が必要であるという見解が、オックスファムもフォーカスも同じである、とあらためて確認をしました。そしてオックスファムに対しては、WTOの機構上の問題点をどう考えるか、フォーカスに対しては、多国間貿易の具体像をどう描くのか、という質問を出しました。
まず山田さんは、WTOにはルール、決定作成のプロセス、大国の支配に問題点があるが、その問題点は、機構上にあるのではなく、運営の仕方に問題があると考えているので、より公平な運営をめざしてアドボカシーやキャンペーンをおこなっている、と答えました。
秋本さんは、オルタナティブはまだ具体的ではないかもしれないが、あるべき貿易ルールについては議論されているので、今後に議論が具体化されていくだろうという見通しを話しました。
さらに開発NGOでの活動経験の豊富な参加者から、NGOは現場だけに活動を限定せず、社会変革まで視野に入れる形で実践すべきではないか、という提案が出されました。
これに対して山田さんは、オックスファムは社会改革をめざさないわけではない、と答えました。新自由主義がよいか、悪いかと聞かれれば、「悪い」と答えるが、オックスファムの主たる関心は、貧困解決のために現状で何ができるかということにあるので、新自由主義自体が善か悪かのような議論からスタートはしない、と述べました。
最後にブラジルやインドのような途上国のなかの大国が台頭してきているなかで、途上国の多様性をどう考えるか、という質問も出ました。これに対してはフロアとのやり取りで、一国内部で利害が多様化している状況では、国民国家単位で議論をすることに限界があるのではないか、セクターごと、階層ごとに議論していくこともできるのではないか、との議論がされました。
山田さんは、WTOに関していえば、途上国の多様性を強調するのは、あまり生産的ではない、と注意を喚起しました。その理由として、現在のWTOの焦点は、ドーハ・ラウンドで途上国が突きつけられた要求に対して、先進国が応えるかどうかに置かれているからである、と主張しました。
