Friday, June 23, 2006

 

アジアの人々の共同の運動を!=脱WTO 6月行動報告その2“6・17シンポ”=

 6月17日、東京都の文京区民センターにて、「大企業と大国に異議あり!人々のアジアを足元からつくる6・17シンポジウム」が開かれた。シンポジウムには、韓国、タイ、フィリピンからゲストが招かれ、アジア各国の立場から、WTO・FTAの推進する企業主導のグローバル化に異議がとなえられた。参加者はおよそ60名。会場には、同日おこなわれた「米軍再編反対・東北アジアに平和を!6・17行動」のメンバーも駆けつけ、連帯のあいさつが交わされた。

▼ ゲストの報告

1)ジョセフ・ブルガナンさん(フィリピン)
 ジョセフさん(ストップ・ザ・ニューコアリッション)からは、WTOによってもたらされる途上国の影響について報告があった。たとえば、「スイス・フォーミュラ」とよばれる関税引下げ方式は、途上国の非農産品の関税収入を現在の41%まで下落させる。ジョセフさんは、こうした関税収入の低下は、途上国の貧困削減、再配分、開発政策に悪影響をもたらすと述べた。

また、WTOの影響で、フィリピンは自国の政策を自国で決める選択の余地を狭めつつあるという。もともと、フィリピンには国内産業を保護するための法律、条例が数多く存在したが、それらは95年のWTO加盟後、自由貿易の障害になるとして次々と廃止されてしまったという。こうした現状を前にして、途上国はいま経済的にも政治的にも、WTO交渉に疑問をもちはじめている。「今後、フィリピンのような途上国が、どのような姿勢を取るのかが交渉のカギとなるだろう」と、ジョセフさんは述べていた。

2)キンコン・タリンタラックさん(タイ)
 キンコンさん(FTAウォッチ)からは、自由貿易体制のもとで、タイの小農民がどのような被害を被っているのかについて報告があった。現在、タイ政府は中国、オーストラリア、日本、ニュージーランドなどとFTA交渉をすすめ、輸出志向型の農業を奨励している。キンコンさんは、こうした政策がタイの小農民の生活を破壊していると述べた。たとえば、タイと中国はアーリーハーベスト(前倒し実施)として、すでに自由貿易を実施しているが、その結果、ニンニクなどは35%も価格が落ちたという。こうした貿易体制のもとでは、儲かるのは1、2の大企業だけで、小農民はいくら努力しても借金を増やすばかりである。キンコンさんは、このような企業主導のグローバル化に反対し、「公正な経済を築かなくてはならない」と報告した。

3)ピョン・ジョンピルさん(韓国)
 ピョンさん(韓米FTA阻止汎国民運動本部)からは、韓米FTAによって予測される韓国への影響について報告があった。ピョンさんは、韓米FTAが韓国農民を半減させること、ほとんど全ての公共サービス部門を民営化してしまうこと、投資のさらなる自由化を促進することを述べた。また、FTAと軍事の関係にもふれ、アメリカがFTAを結ぶのは軍事的に重要な拠点となる国々であることが指摘された。そして、こうした大きな権力に対抗するためには、「民衆サイドも共同戦略、共同行動を具体的に練り上げなくてはならない」との力強い提案がなされた。

▼ 会場との応答から

 報告後、会場からはゲストにたいして、日本との間で進められているFTAやEPAなどについての質問が投じられ、意見交換がなされた。とくに、看護士の移動の自由化については、ジョセフさんから「フィリピンでは看護士が大量に海外へ流出したため、深刻な医療低下になやまされている」との応答があり、同時に、今後はこうした特定のイシューについて、「密接な情報交換のメカニズムをつくり、共同のキャンペーンをはっていくことはできないか」という提案もなされた。この情報共有、共同行動の必要性については、ピョンさん、キンコンさんも同様の意見を述べており、最後に日本側からもアジア民衆の共同ネットワーク・行動をつくりあげようと発言があって、シンポジウムは幕を閉じた。(くりはら記)

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