Friday, January 27, 2006

 

WTO非公式閣僚会議、1月27日からジュネーブで

会員の稲垣です。どこからも情報が流れないので、マスコミ報道ですが流しておきます。

27日から、ジュネーブでWTO非公式閣僚会議です。今回の会議では、4月30日までに農産品と工業製品にかかる関税や保護政策の削減の基準などを確立するための交渉方法などを話し合うようです。

工業製品に対する関税について、高い関税率ほど大幅に引き下げる、という途上国にとっては厳しい引き下げ方法を採用することが香港閣僚会議で決められてしまいました。途上国は全般的に関税を高く設定しているので、この方法を採用すると引き下げ幅が大きくなる=先進国からの輸入が増加する可能性がある=国際産業育成に悪影響を及ぼす可能性大、ということです。

現地の対抗アクションなども予定されています。これらについてもお伝えできればいいのですが。

以下、WTO非公式閣僚会議関連のニュース報道となんちゃって解説です。
素人が書いたものですのでこんなもんです。すいません。

抗議世貿!

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■国内助成、日本は75%削減 新ラウンド農業交渉で提案

〔ダボス(スイス東部)26日共同〕世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)で、日本、スイスなど先進食料輸入国で作る農業自由化交渉のグループ「G10」は25日、貿易に悪影響を与える種類の農業補助金(国内助成)の削減幅を日本が75%とすることなどを盛り込んだ新提案を発表した。昨年12月のWTO香港閣僚会議では、国内助成の削減は拠出額に応じて3階層で実施し、最も額の多い欧州連合(EU)を最上位階層に、拠出額が2位、3位の国(日本、米国)を第2階層に、その他の国を第3階層にそれぞれ入れることで合意した。G10の新提案では、削減幅は最上位階層が75%、第2階層が65%、第3階層が45%。日本は農業交渉進展のための譲歩として、EUとともに第1階層に入る用意を表明した。(共同通信) - 1月26日10
時19分更新


【解説】理不尽な欧米の国内補助金

途上国の農産物を先進国の市場に輸出しても、先進国には膨大な国内補助金によって価格の抑えられた農産物があり、それらと市場シェアを競わなければなりません。アメリカとEUは農業補助金大国とよばれています。これらの国の国内補助金の削減を、途上国はもとめています。「しかし零細農家にとっては補助金は必要ではないか」という意見もありますが、EUと米国の補助金は生産量と土地面積とに直結しているので大規模農家に大部分の補助金が流れています。

EUでは補助金の上位受益者10%に支援金の四分の三以上が給付されています。米国では補助金を受け取る農家は40%だけで、そのうちのもっとも裕福な5%が半分以上の補助金を受け取っています。

また豊かな国が提供する途上国への農業援助は【一年】に10億ドル強ですが、豊かな国が自国の農業システムに支給する額は【一日】で10億ドルをやや下回るという巨額の支給がされています。

途上国の農産物が先進国に大量に輸出されることで本当に貧困が解消されるかどうかはおくとしても、アメリカやEUの膨大な補助金によって安い農産物が国際市場にながれ、途上国の農業が危機にあるという状況は看過できるものではありません。

農業交渉進展=日本農業の切り捨てということ。経団連などは農業交渉は譲歩して、NAMA(工業製品)とサービス貿易に関する交渉で日本の主張を飲ませるべきという旨の主張をしています。日本政府はその要求に従ったまでといえます。

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■WTO 27日からドーハ・ラウンド 二階、中川氏出席

 世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉で政府は25日、スイスで27、28の両日開かれる非公式閣僚会議に二階俊博経済産業相と中川昭一農相を派遣することを決めた。非公式閣僚会議には20カ国以上が参加。難航する農業と工業分野で、関税削減方式を定める包括合意は4月末が期限。交渉の加速を目指して話し合う。(毎日新聞) - 1月25日21時2分更新


【解説】国の力がはっきり現れる非公式閣僚会議

WTO非公式閣僚会合は、WTO加盟国150カ国のうち、今回は、影響力のある20カ国程度があつまって談合をするものです。とりわけアメリカ、EU、カナダ、日本は「四極」とよばれ、大きな影響力を持つといわれています。非公式な会議にも関わらず、四極をはじめとする参加各国は大臣を筆頭に派遣団を組み交渉に臨みます。また産業界も自国政府に大きな影響力を及ぼそうと精力的なロビー活動を行います。

ジュネーブには80程度の国が代表部を置き、情報収集や事前の根回しを行っています。アメリカ、EU、韓国、中国、そして日本などの代表部は大所帯である一方(日本は各省庁から20名ほどが派遣されている)、途上国では2-3人のスタッフというところもおおいようです。四割ほどの加盟国はジュネーブに代表部を置いていないことから、交渉に関する情報収集などにおいては、代表部をしっかりとおくことのできる四極などにとおく及ばない不公平なものになっています。

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■新ラウンド農業交渉が再開 香港閣僚会議後の初会合

(ジュネーブ23日共同)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の農業自由化交渉が23日、ジュネーブの世界貿易機関(WTO)本部で再開された。昨年末のWTO香港閣僚会議以来の新ラウンド初会合で、今後の交渉の進め方などが主な議題。通商外交筋によると、新ラウンドの当面の中心課題は市場開放問題で、農産物の関税引き下げ率や、日本のコメなど先進国が高関税を維持したい「重要品目」の品目数などをめぐる攻防が激化する見通しだ。農業交渉は輸出補助、国内助成、市場開放が三本柱。香港閣僚会議では輸出補助金を2013年までに全廃する方針を固めた。(共同通信) - 1月23日23
時36分更新

【解説】途上国は2010年までの全廃を望んでいた

報道では「香港閣僚会議では輸出補助金を2013年までに全廃する方針を固めた」とありますが、途上国は一貫して2010年までに全廃することを要求していましたが、EUがゆずらず2013年までに輸出補助金を存続させることが可能になりました。少なくともあと8年も途上国はEUやアメリカの農産物テロの脅威にさらされることになります。

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